ベートーベン④

私、藤本敦子。

今日は前回の続きから。

第4変奏でつまずいたまま抜け出せないでいた。

深みにハマっていた。

その中から掴んできたものを書いておこうと思う。

小節ごとに対応している箇所、どこにどの音が向かうのか。

第4変奏の隣接音において。

下方への隣接音、上行系の隣接音、さらに全音階的経過音と半音階的経過音が加わり、無秩序にたくさんある。

この多様性は、まるで計画性とは無縁のように、音一つ一つが銀河に散らばる光の粒にみえる。

ただただ目の前で奇跡を観ているかのよう。

きれいな、簡素な音は真理を前に清められ、愛情深い精神性から生まれたベートーベンの言葉たち。

どんな装飾も剥がれ落ちている。

第5変奏ではクレシェンドの表記は推移部と繋がりを持たせる役割な気がした。

最後の右手トリルは、音域により上や下に流れている様子が肉体に流れる生命のエネルギー、魂の震え。

最後の部分動機がついに宇宙へ、そして霧の中へ姿を消し、散っていく。

この霧の中の様子で印象的なのは、バスの4度。

これは神を前にし、懺悔し、感謝するかのように主和音へ進もうとしているように見える。

もう何が何だか分からない世界である。

結果、よく分からない。笑

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