私、藤本敦子。
今日鏡越しに映る自分の顔が一瞬祖母に似ている瞬間があった。
私の父方の祖母はもう亡くなっているのだけれど、大正生まれで不動産屋を祖父と立ち上げた初代だ。
祖母とは同居していて、私は小さい頃からおばあちゃん子だった。
祖母はとても信仰熱心で(日本にどこにでもある仏教徒です)、朝晩欠かさず神棚や仏壇に手を合わせている人だった。
それに心根が良く周りから信頼されていた。
おまけに頭の切れる人で、祖父は祖母の考えを行動する人だったらしい(祖父は私の産まれる前に亡くなっている)。
一代で築き上げてきた歴史を祖父母から父へ、そして私や兄へ引き継いだ。
尊さと有り難さと、何とも言えない温かさ。
ふと目にした私に映る祖母の面影。
祖母に逢えた気がした。
おばあちゃん、天国で元気にしてるかな。
元気にしてると良いな。